明日の果て
 その様子にマクバードも諦めたらしく、苦笑いを浮かべる。

「私がこの場にいれば、他には存在していないという事だよ」

「じゃあやっぱり」

「しかし、人間と同じ時間を生きているのとは異なる。そうだな、空を見てこらん。あれは全て別の空間の入り口だ」

 剛はマクバードが指差した方向に視線を移す。

 しかし、そこにあるのは色を変えていく不思議な空と雲のみで、入り口らしいものなど見あたらなかった。

 目をこらしたって見えるものでもないらしい。

「どこに?」

「雲のように見えているあれが全てそうだ。あまりに多いため集まって雲のように見えている」

「ええっ!? じゃあこの空全体の雲が全部世界の入り口? すげえ」

「それぞれがそれぞれの時間を生きている。お前が今生きている時間を基準に、過去・現在・未来があの中にある」
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