明日の果て
「ここがデイの神殿?」

「そうだ」

 100mほど向こうにあるマクバードの神殿を、剛はじっと見つめた。

 デイトリアの神殿は、彼の隣に位置しているのか。

「デイは行かなくていいの? 相手はヤバイんだろ?」

「私はお前を護らねばならん。側近と近衛がいる心配は無い」

 そう言いつつも、デイトリアの表情は暗い。

 その視線は、自然とマクバードの神殿に向けられている。

「質の良くないってどういう意味?」

「闇の神族は善神にあたる。しかし、中にはよからぬ事を計画し、それを持ちかけてくる者がいる。力の特性でいえば闇の力は破壊の力だ。マクバードに取り入り、闇の神族全体の力を得ようとしているのだろう」

「へえ……」

 ギリシャ神話とか、かじる程度の知識しかないけど、そういえば色んな事をやっていた。

 神話の中だけかと思っていたのに本当にあるんだな……剛は実感が湧かないまま、マクバードの神殿を見つめた。

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