明日の果て
*交渉
「デイ!」
小走りに駆け寄ってきたのは、青みがかった背中までの銀髪に不思議な色の胸鎧を身にまとった男だ。
名前はパシフェアといい『闘いの王』という称号を持つ。
「マクバード様の神殿から異様な気配がする。それに、大気の様子もおかしい」
優しい面持ちだが、その表情は硬く緑黄色の瞳に陰りが窺えた。
「うへ……」
気が付くと、数人の男性が囲うように立っていて剛は思わず声を上げる。
皆、一様にマクバードの神殿に視線を向け、険しい表情で眺めていた。
よほど慕われているんだなと剛が呑気に考えていると突然、全員が何かに反応した。
「え? なに?」
「大気が変わった。まずいな、マクバードを怒らせたか」
デイトリアは苦い顔をしてつぶやいた。