明日の果て
 だが、俺から見てもわかるようにこいつは何かを隠している。

「神族をまとめるための力を貸して欲しいと言ったな。しかし、私はお前を信じる術を知らぬ」

「ククク……」

 マクバードの言葉に、男は諦めたのか開き直ったのか喉の奥から笑みをこぼした。

「やはりひと筋縄ではいかんな」

「何を企んでいる」

 初めに会った少年──マクバードの近衛である夜の王リスク──は、眉を寄せて低く問いかけた。

「もちろん、あなたにその力を使っていただくためですよ。マクバード様」

 立ち上がり答えると、そいつはいつの間にか剛の後ろにいた。

「うっ!?」

 左腕と首を掴んでマクバードに見せつけると、彼の表情が怒りに変わる。
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