Blue sky ~ 記憶 ~
…あいつが泣いてる!?
 
あの華音が?
 
 
何で泣いているんだ……。
 
 
 
いじめられた…とか?
 
 
いや、俺が今日見たところ、そんなことで泣くやつではない。
 
 
 
だったら…何でだ……?
 
 
 
カサッ…
 
 
 
俺は不覚にも物音をたててしまった。
 
 
 
「………!」
 
 
華音は手のひらで涙を拭くと、声を張り上げ言った。
 
 
「誰かそこに居るのかっ……!」
 
 
 
…これは素直に出て行った方が良い…よな。
 
「……よ、よぉ。」
 
 
そう思い、俺は華音の前に出ていった。
 
 
「お前は…今日の転校生……。」
 
 
 
「神倉是奇だ。」
 
 
一応、もう一度名前を言っておいた。
 
 
「…覗きとは最低だな。」
 
 
 
「別に覗いてたわけじゃねぇよ……。」
 
 
…変な誤解をされたら困る。
 
 
「覗いていないなら何をしていたんだ?」
 
 
 
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