Blue sky ~ 記憶 ~
次の日からは、また少年の身体が痛みだしました。
 
 
そして、少年は少女に一つの頼みごとをしました。
 
 
 
『僕を…景色の綺麗なところに連れて行ってくれないか?』
 
 
 
少女はその意味も分からず、自分の記憶の中で一番景色が綺麗なところに連れて行きました。
 
 
 
 
少女の連れて行った場所は、町外れにある丘でした。
 
 
そこに着くと、少年は景色をずっと眺めていました。
 
 
 
しばらくすると、小さく口を開いたのです。
 
 
 
『最期に…君との良い思い出をつくりたかったんだ。
 
今までありがとう。
 
 
君に出逢えて、本当に良かった。』
 
 
少年はまるで、それが最期かの様に言いました。
 
 
 
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