Blue sky ~ 記憶 ~
少女は、少年の言葉の意味を悟りました。
 
 
少年はいつも元気に振る舞ってはいたものの、実際はもう限界がきていたのです。
 
 
 
『…君のせいじゃない。だから、僕が居なくなっても悲しまないで。』
 
 
少年は最期の力を振り絞り、満面の笑みを見せました。
 
 
 
『…僕は不幸なんかじゃないよ。最期に君と会えたこと自体が、幸せなんだから。』
 
 
 
少年はその場に力尽きたかのように、座り込みました。
 
 
立っていることさえもできなかったのです。
 
 
『私を独りにしないで…独りは寂しいよ……だから……!』
 
 
 
そんな少女も儚く散りました。
 
 
少年は最期は幸せそうな顔で、天国へと旅立ってしまったのです。
 
 
 
< 142 / 235 >

この作品をシェア

pagetop