Blue sky ~ 記憶 ~
ばあちゃん家で過ごす時間は、思った以上に早く流れた。
 
 
気付けば、明日はこの町を出ていく日だ。
 
 
 
「…早いな……。」
 
 
俺はふと呟いた。
 
 
 
この町に来て、色々なことがあった。
 
 
子供の面倒を見るのは疲れた…。
 
 
でも何だかんだ言ったって、楽しかったな…。
 
 
 
「是奇…明日じゃの……。」
 
 
ばあちゃんは寂しそうに言った。
 
 
「あぁ……でも、またこの町に来るから。」
 
 
 
「…楽しみにしとるよ。」
 
 
そう言ったばあちゃんの目は、遠くを見つめていた。
 
 
「…だからそんな顔するなって……こっちまで悲しくなるじゃねぇかよ…。」
 
 
俺は、ばあちゃんの寂しそうな顔を見るのが辛くなった。
 
 
 
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