Blue sky ~ 記憶 ~
見た限りでは最初のボールを蹴る権利は、相手チームにあるらしい。
 
 
一気に相手が攻めて、シュートをうとうとしてきた。
 
 
「させるかっ!」
 
 
俺は滑り込んで、ボールを横に弾いた。
 
 
 
「神倉、後はあたしに任せろ!」
 
 
華音がボールを蹴り、走り始めた。
 
 
 
…大丈夫なのか……?
 
 
俺の不安をよそに、華音はどんどん突き進んで行く。
 
 
「華音ー!そのままシュートだ!」
 
 
俺は大声で叫んだ。
 
 
「分かってる!」
 
 
 
華音は右足を後ろに振り上げた。
 
 
そして、勢いよく振り下ろした。
 
 
 
スカッ…
 
 
 
「………え?」
 
 
 
俺はまぬけな声を上げた。
 
 
 
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