Blue sky ~ 記憶 ~
「んー、まだイマイチだな。」
 
 
 
俺は具合の悪そうな顔をして言った。
 
 
決して仮病だとばれないように、必死に演技をした。
 
 
 
「そう…病院に行った方が良いかしら。」
 
 
「いや、行かなくて良い!」
 
 
俺はすかさず答えた。
 
 
足が思うように動かないというのに、階段を降りて車に乗り、病院になど行けるわけがない。
 
 
 
「そう…?」
 
 
おふくろは俺を不思議そうに見た。
 
 
 
「じゃあ、お母さん下に居るから。なにかあったら呼んでね。」
 
 
そう言い残すと、おふくろは俺の部屋から出て行った。
 
 
 
「…ふぅ……。」
 
 
俺は小さくため息をついた。
 
 
 
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