Blue sky ~ 記憶 ~
「…あ…ありがと。」
 
 
うわっ…。
 
何言ってるんだ、俺ー!
 
 
言ってから、自分が恥ずかしくなってきた。
 
 
 
「べ別に、神倉が心配だったとか…そう言うわけじゃないからな!」
 
 
 
…華音、俺のことを心配してくれてたのか……。
 
 
…優しいな。
 
 
 
「そんなに人の顔をジロジロ見るなっ…!」
 
 
気のせいか、華音の顔が赤いような気がする。
 
 
「じゃあな…あたしの用はもう済んだ!帰る!」
 
 
めずらしく、華音が焦っていた。
 
 
「あっ…ちょっと待ってくれ!」
 
 
 
「何だ。」
 
 
華音の顔はまだ赤い。
 
 
「ありがとな。ノートは明日学校で返すから。」
 
 
俺は最後にもう一度、礼を言った。
 
 
「ふんっ…よく寝て早く治せよ。」
 
 
そう言い残すと、華音は勢いよく俺の部屋を出て行った。
 
 
 
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