Blue sky ~ 記憶 ~
「是奇ー、おはよ。具合大丈夫なのか?」
 
 
「あぁ、もう大丈夫だ。」
 
 
クラスの奴にそう軽く返事をすると、俺は華音の席に向かった。
 
 
「さんきゅ。華音のお陰で英語はバッチリだ!」
 
 
俺は華音にノートを手渡しながら、笑って言った。
 
 
「そうか。別にあたしには関係無いけどな。」
 
 
 
…やっぱり華音だな。
 
 
自分の気持ちに気付いてしまった今、俺はただ華音と話しているだけでも幸せだ。
 
 
 
「…具合は大丈夫なのか。」
 
 
それは予想もしていなかった言葉だった。
 
 
「あぁ…大丈夫だ。」
 
 
 
「無理して倒れたりするなよ。」
 
 
…無理して倒れたのは華音だろ。
 
 
 
俺は心の中で、そう呟いた。
 
 
 
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