Blue sky ~ 記憶 ~
「とりあえず、保健室に行った方が良いんじゃない?」
 
 
誰かがそう言った。
 
 
「…あたしが連れていく。」
 
 
華音が堂々と言った。
 
 
「でも黒川一人じゃキツいだろ…。俺も行くよ。」
 
 
華音を気遣って、クラスの男がそう言った。
 
 
「遠慮する。ちょうど神倉に話があるんだ。」
 
 
 
「そうか、分かった。」
 
 
 
…華音が俺に話……?
 
 
いったい何の話だろう…?
 
 
 
「行くぞ。歩けるか?」
 
 
華音が俺の身体を支えながら言った。
 
 
「…まだ歩けなさそうだ。まだ目眩がしててな……。」
 
 
俺は適当に嘘をついた。
 
 
華音に俺の足が今、動かないのがバレないように…。
 
 
 
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