Blue sky ~ 記憶 ~
「…本当に具合が悪いのか?」
 
 
…もしかして、華音は気付いているのか。
 
俺の嘘に…。
 
 
「…具合が悪くなきゃ誰も倒れねぇだろ。」
 
 
俺は不自然じゃないように答えた。
 
 
「…じゃあ足はどうした……?」
 
 
 
…確実に、華音は俺の足に気付いている。
 
 
でもここで足が動かないと知れたら、きっと華音は自分を責めるだろう。
 
 
華音を悲しませたくはない。
 
 
 
「足って何のことだよ…?」
 
 
だから、俺は知らないふりをした。
 
 
「…何で、机に寄りかかっている?」
 
 
 
華音は俺の手を見た。
 
 
俺は保健室の机に寄りかかって、何とか立っている。
 
 
そうでもしないと、立つことが出来ない。
 
 
 
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