Blue sky ~ 記憶 ~
「だからそれは、具合が悪…」
 
「具合が悪いなら、ベッドに横になったらどうだ…?」
 
 
 
…華音は分かっている。
 
 
俺が歩けないから、ベッドに寝もせず、椅子に座りもしないことを…。
 
 
 
「………。」
 
 
俺は黙り込んだ。
 
 
…ここから椅子に座るのには、少なくても二歩は歩かなくちゃいけない。
 
 
 
…でもこのままだったら、俺の足が動かないと認めたようなものだ。
 
 
どうすれば良いんだ!
 
 
 
「…本当のことを話してくれ!」
 
 
華音が、今にも消えそうな声で言った。
 
 
「…いずれ、こんな芝居バレるとは思ってたけど……さすがにバレるの早すぎだろ…。」
 
 
俺は正直に言うことに決めた。
 
 
 
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