Blue sky ~ 記憶 ~
「…やっぱりそうなのか。」
 
 
華音が悲しそうに言った。
 
 
「嘘ついて悪かった…でも、大丈夫だって。すぐ治るに決まってんだろ。」
 
 
 
また俺は嘘をついた。
 
 
たぶん、この足が完全に治ることは…ない。
 
 
 
「…神倉、もうあたしとは関わらない方が良い。」
 
 
「……何でそうなるんだよ。」
 
 
 
華音の考えていることは大体分かる。
 
 
これ以上近くに居たら、俺の状態は悪化する。
 
だからこんなことを言っているのだろう。
 
 
 
でも、そんなことに俺は負けない。
 
 
そう決めたんだ…。
 
 
 
「あたしと居ると…神倉がどんどん不幸になるんだ…!神倉を不幸になんてしたくない…。」
 
 
 
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