Blue sky ~ 記憶 ~
「…どうしてあたしなんか……。」
 
 
華音はスカートの裾を、握りしめながら言った。
 
 
「…神倉はこれから、幸せになれる権利があるんだ…。
 
あたしなんかじゃなくたって、待ってれば神倉の前に良い人が現れる…。」
 
 
 
「華音じゃないと意味がねぇんだ…!」
 
 
 
俺は華音を抱き寄せた。
 
 
正直言って、自分でも自分の行動に驚いた。
 
 
 
「…離せ、神倉っ!あたしに深く関わったら、だめだと言っているだろ…!」
 
 
華音の声からは、戸惑いが感じられた。
 
 
「俺はどうなっても良い…!華音の傍に居たい…。その気持ちの他に何がいるって言うんだよ…!?」
 
 
 
俺は必死で自分の気持ちを伝えた。
 
 
 
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