Blue sky ~ 記憶 ~
「下がったって……
一日で下がるような熱じゃねぇぞ、あれは。」
 
 
あの熱が一日で下がるとは思えなかった。
 
 
「でも下がった。」
 
 
 
「…また倒れても知らねえからな。」
 
俺は意地悪くそう言う。
 
 
「心配しなくても、もう倒れたりなどしない。」
 
 
華音はそう俺に言い放った。
 
 
「へぇー……せいぜい頑張れよ。」
 
 
 
こいつは…
俺の気も知らないで…。
 
昨日は誰のおかげで保健室に行けたと思ってんだよ…!
 
 
感謝というものを知らないのか、こいつは。
 
 
 
 
 
「……昨日はお前があたしを保健室に運んだんだってな。」
 
 
 
「あぁ、それがどうかしたか?」
 
 
 
 
 
「…………ありがとう。」
 
 
 
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