Blue sky ~ 記憶 ~
「…いきなり何を言っているんだ。意味が分からない……。」
 
 
華音は体を起こして、俺を見ながら言った。
 
 
「………そんなのまるで…別れの言葉みたいじゃないか。」
 
 
華音が動揺しているのが、一目で分かった。
 
 
「……ごめん。」
 
 
 
「あたしはそんなの信じない……!」
 
 
華音は大きく首を横に振った。
 
 
「……今まで…本当にありがとな。」
 
 
俺は精一杯の笑顔を見せた。
 
 
「そんなの嫌だ……信じたくない…!」
 
 
 
華音は声を喉から絞り出しながら言った。
 
 
こんな華音を見るのは初めてだ。
 
 
 
「……あたしのせいだ…。
また同じ過ちを繰り返してしまった……
 
もう二度と、大切な人を傷つけないって心に誓ったのに…!」
 
 
華音は唇を噛み締め、拳を強く握りしめていた。
 
 
 
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