Blue sky ~ 記憶 ~
「……笑えないよ…。」
 
 
華音は表情をひきつりながら言った。
 
 
「…悲しませるつもりはなかった……悪い。」
 
 
 
…もうそろそろだな。
 
 
俺は何となく、自分の最期を感じとった。
 
 
 
「……謝るくらいなら…あたしを置いて逝くなよ…!」
 
 
華音の声が弱々しくて、心が痛んだ。
 
 
「…悪い。」
 
 
俺はただ、謝ることしか出来ない。
 
 
どんな言葉を言ったら良いのかが、全く浮かばなかった。
 
 
 
「……孤独なんか…独りになんか慣れているはずなのに……何でこんなに寂しんだ…。」
 
 
華音がうつ向きながら呟いた。
 
 
 
その姿は、とても寂しそうで、悲しそうに見えた。
 
 
 
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