Blue sky ~ 記憶 ~
「嘘だろ……。そんな…神倉!」
 
 
華音が俺の肩を、大きく揺らしているのが分かった。
 
 
「……目を開けろ…!こんなの嫌だよ!」
 
 
 
「…………。」
 
 
俺にはもう、言葉を発する気力なんてない。
 
 
 
「なんとか言ってよ……返事をして…。」
 
 
 
「…………。」
 
 
 
「…こんなの全て嘘だと言って……。」
 
 
俺の頭が持ち上げられた。 
そして、華音の膝にのったのが何となく分かった。
 
 
 
俺はその時気付いた。
 
華音が本来の自分に戻っていたことに。
 
 
 
出逢った時から、華音の口調が男口調なのが気になっていた。
 
 
でも今の華音は…
 
普通のどこにでもいる女子だ。
 
 
 
最期にそんな華音を見れて良かった。
 
 
 
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