Blue sky ~ 記憶 ~
「…あたしを独りにしないで……!
お願いだから…!
 
もう寂しいのは嫌なの…!
 
 
あたしは弱い人間だからっ…。
 
 
 
だから…独りにしないで……。」
 
 
 
そんな涙混じりの華音の声が聞こえた。
 
 
 
「…華音、そんな弱気なことを言うな。」
 
 
 
 
 
「神倉っ!意識が戻ったの!?大丈夫なの!?」
 
 
 
華音の驚きの声が聞こえた。
 
 
その言葉が俺の本当の最期。
 
 
……もうこれ以上は無理だ。
 
 
 
そう感じた。
 
 
 
「神倉っ!?」
 
 
 
「…………。」
 
 
 
「目を開けてよっ…!意識が戻ったんじゃないの……?」
 
 
 
薄れゆく意識の中でも、華音の声が聞こえた。
 
 
 
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