Blue sky ~ 記憶 ~
「……こんなの嫌だ………ねぇ、神倉…!
 
 
また来年も一緒に、この丘で花火を見るって約束したでしょ……!?」
 
 
 
「…………。」
 
 
 
ごめん…。
 
その一言さえも言うことができない。
 
 
 
…死ぬ時ってこんな感じなんだな。
 
 
死ぬのに、全然恐怖を感じない。
 
 
 
華音がすぐ隣に、居てくれてるからか。
 
 
好きな人に…
愛する人に、自分の最期を見届けてもらえるなら幸せだ。
 
 
 
「神倉ぁ!あたしとの約束、破るの…!?
 
 
あたしっ、こんな別れ方嫌だよ……!」
 
 
 
俺の頬に、一粒の雫が落ちた気がした。
 
 
そして、俺の意識はどんどん遠のいていった。
 
 
 
「あたし…神倉を愛してるよ。
 
 
今までも……これからも永遠に…。」
 
 
 
 
「……神倉………神倉…神倉ぁ!
 
 
もう二度と、返事はしてくれないんだね…。
 
………是奇…。
 
 
ありがとう……。
 
ばいばい。」
 
 
 
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