Blue sky ~ 記憶 ~
「‥‥あんた」
 
 
華音は不機嫌そうな声で、目の前に居る女子に声をかけた。
 
 
「‥あ‥‥何、黒川さん‥?」
 
「さっきの馬鹿みたいな噂、誰から聞いた?」
 
「誰からっていうか‥‥ほとんどの人が知ってるし、言ってるよ‥?」
 
 
‥馬鹿みたいな噂。
 
リストカットなんかしてないってことか‥?
 
 
「‥あんたは誰から聞いた?」
 
「わ‥私は‥‥」
 
 
怯えているのか、足が小さく震えているのが見える。
 
 
「私‥ごめんなさいっ!!」
 
 
そう謝ると、その女子は走って教室を出て行った。
 
 
「‥‥‥」
 
 
やっぱり噂は嘘だったか。
 
でも、だったら何の為に包帯なんか巻いてるんだ‥‥?
 
 
「‥その包帯って一体何なんだ?」
 
 
俺は思いきって聞いてみた。
 
 
 
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