Blue sky ~ 記憶 ~
俺はその瞬間を見逃さなかった。
 
 
 
泣いているはずの高橋が華音を見て、何かをたくらんでいるような笑みを見せた。
 
 
 
「おいっ……高橋…お前……。」
 
 
ガラッ…
 
 
「とっくにチャイム鳴ってるぞ。
さっさと席に着けー!」
 
 
 
先生が教室に入って来る。
 
 
 
何なんだ。
 
高橋樹菜……。
 
 
さっきのは、ただの泣き真似だったのか…。
 
 
どうして華音を嫌っているんだ…。
 
 
 
親友だったんだよな?
 
 
 
考えれば考えるほど、理由が分からない。
 
 
 
 
 
ただ言えることは…
 
あの二人の仲は、俺が思っている以上に穏やかじゃないらしい。
 
 
 
何かよく分からないけど…。
 
高橋は普通じゃない。
 
 
 
怖い…というより、妙な女だ。
 
 
 
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