Blue sky ~ 記憶 ~
華音の右手首には、いつも巻いているはずの包帯が巻かさっていなかった。
 
 
 
「…あ……これは…。」
 
 
華音は右手首を隠した。
 
 
 
「右手……どうしたんだ…。」
 
 
 
華音の右手首にはあざのようなものがあった。
 
 
そのあざのようなものは、十字架を横に三つ並べたような模様だった。
 
 
 
「このあざは…生まれつきなんだ……。」
 
 
 
華音は眉間にしわを寄せた。
 
 
 
「それを隠すために包帯を巻いてたのか…?」
 
 
 
「…あぁ。このあざがなかったらあたしの人生は変わっていた……。」
 
 
 
…人生って。
 
 
そのあざでそんなに変わるものなのか…?
 
 
 
「……そうか。」
 
 
 
< 72 / 235 >

この作品をシェア

pagetop