Blue sky ~ 記憶 ~
「いつまでもぶつぶつ言うな。決まったものはしょうがないだろ。」
 
 
 
華音は冷静に、どうでも良さげに言った。
 
 
 
「その通りだけど…。」
 
 
 
 
「……く黒川さん、隣のクラスの男子が呼んでるよ。」
 
 
 
クラスの女子が教室のドアの方を見ながら言った。
 
 
ドアの前に立っていたのは、細身の長身の男だった。
 
 
 
「あぁ、今行く。」
 
 
 
華音は返事をすると、男のいる方へ歩いて行った。
 
 
俺はこっそりと、男と華音の会話が聞こえる範囲に移動する。
 
 
 
「…誰だ、お前。」
 
 
華音は少し警戒しているように言う。
 
 
「…俺、隣のクラスの藤永悠真(ふじながゆうま)です。」
 
 
 
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