いとしのくまこさん
伊吹くんはため息をもらし、部署に続く長い廊下を歩いていった。


誰にでも秘密か。


プルタブを開ける指に力が入る。


そういえば、右薬指にしていたブルーの石の入ったリング、どこにやってしまったんだろう。


ゆっくりと苦い味をかみしめ、ノドの奥にコーヒーを追いやった。
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