どうやら、あたしのスマホが擬人化したらしい。

□ □ □

『…うん、うん。あのさぁ…ウザいから別れて。』

冷たい声が伝える残酷な別れ。

それは俺に向けられたわけではないが、少しドキリとした。

『はぁ?何で急に?俺、何かしたっ…?』

向こう側の男は泣きそうな声色で俺の主に尋ねる。

だが、主は答えない。

『…なぁ?考え直してくれよ?おねがっ…』

プチッ…ツー…ツー…

必死の懇願も無惨に打ち切られた。

そこでいつもの台詞。

「……つまらない。」

主は今日何人目か分からない別れを告げたが顔色一つ変えない。



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