どうやら、あたしのスマホが擬人化したらしい。

「お、来た来た!遅かったじゃん♪」

家を出た途端、目の前にいたのはミナト。

あたしは冷たい目線を送った後、無視して歩き出した。

別れてとメールで送ったから、あたしにとってミナトは知らない人同然。

だから待ち伏せされても正直迷惑なだけだ。

「ちょ…ちょっと!俺置いて何処行くわけ?」

スタスタ歩くあたしの後ろからついてくる…否、付きまとってくるミナト。

だから仕方なく口を開いた。

「…はぁ。ねぇ、あたし、貴方に別れてってメールしたわよね?だから彼氏でもないくせしてこれ以上付きまとって来ないでくれる?……さよなら」

心底うざったいという表情でミナトを見つめる。

すると案の定、ミナトは激怒してあたしの肩を掴み、強く揺さ振ってきた。



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