どうやら、あたしのスマホが擬人化したらしい。
「おはようございます、せんせ。」
当たり障りない、至ってシンプルな挨拶をする。
だが、きちんと上目遣いと胸元アピールを忘れない。
右腕で胸を持ち上げるようにして、左腕を軽く右手でつかんだ。
すると…ほら。
分かりやすく反応する先生。
でもあたしは気付かないふりをして首を傾げる。
「?…どうかしましたか、先生」
「…いや、何でもないよ。おっと、そうだ。壌河は今日放課後何か用事はあるかい?」
壌河はあたしの名字だ。
そしてこれは、お誘いだろう。
あたしと先生は密かに身体だけの関係があるから。