魅せられて


華々しい女性として
誘惑してみたい


輝いた女性を
演じてみたい


”このままでいいの?”


問い掛けてきた
私への答えは
間違っていたのかしら


変わりたいのに
変われない私


生活パターンを
変えただけで
私は臆病のまま


人当たりのいい
引地の影に隠れ


常連客達との狭間に
見えない壁を隔て
遊び上手な女を
演じているだけ


私は財布の中から
”岡田”の名刺を取り出し
溜息をついた


上機嫌に酔った私は
確かに


「楽しかったですよ」


そう言って貰える
女性だったはずなのに


難しいわね
女を磨きあげるには
乗り越えなければならない
壁がある事を知ったわ

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