トキモライ


だって、……うっ。

まただ。
シィは気付いてないんだ。


私に話しかけた女子が私の横を通り過ぎる時、鋭い目が私を睨んでいるなんて。

ただそれが、ひとりではなく数人がそうして来るのだ。



「…おは、よう」

私は、ぎこちなく返した。
いつもこんな感じ。

「アユ、どうかした?」


シィが私の顔を覗き込む。



< 46 / 86 >

この作品をシェア

pagetop