トキモライ



「……ただいま」
家に帰ってもこの時間は誰もいない。

お父さんも、お母さんも。


私はリビングには入らずに自分の部屋に向かった。



「…歩美」
リビングの扉が開くと、いないはずのお母さんが出てきた。


「…なんで、いるの?」

私の開口一番がこの言葉だった。



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