君のお隣
「あ、次移動じゃん!」
私たちは急いで教科書を準備した。
二人で教室を出て歩いていると
「若葉さん、ちょっといい?」
相澤さんが私に話しかけてきた。
「う、うん‥いいけど‥」
加奈の方を見ると、心配そうに私を見ている。
「あ、加奈、先に教科書持っていってくれる?」
私は心配かけないように、なるべく高い声で言った。
「‥わかった。‥何かあったら言ってね」
最後に耳打ちをし、私の教科書を持って行った。
「さ、じゃあ行こうか」
どこに行くのか分からないまま、相澤さんの後をついていった。