君のお隣



「そーうたっ!」


二人で登校していたら後ろから颯ちゃんを呼ぶ声がした。


また女の子か‥



「ねぇ颯太ぁ~」


女の子が猫なで声で優ちゃんの腕にくっつきながら言った。


「今日私ん家きてぇ」


「あ~…うん、わかった」


「やったぁ!」


女の子は嬉しそうに去っていった。


「また女の子と?」


あたしがそう聞くと


「お前には関係ない」


颯ちゃんはあたしがそこに口出しすると冷たくなる。


だから不安なんだ


颯ちゃんはモテるから毎日誰かしらと一緒にいる。


あたしと颯ちゃん二人だけの時間なんて朝の登校くらいしかない。


でもいいんだ


一緒にいれるだけで幸せだから‥

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