君のお隣
私はそのあと夜ご飯を食べ、お風呂に入って、部屋に戻った。
「颯ちゃん、いつくるんだろ」
そう呟いたとき、私の携帯が鳴った。
「あ、颯ちゃんからだ‥‥ベランダに来い?」
ベランダ?
私は近くにあったパーカーを着て外に出た。
ベランダは部屋と同様に、行き来できる距離だ。
「よ」
「うん」
「これ、さんきゅうな」
颯ちゃんが辞書を返してきた。
「あ、うん」
私は颯ちゃんから辞書を受け取った。
私が辞書を受け取ると、颯ちゃんはベランダに足を掛け、
「ちょっとそっち行くわ」
そう言って私の家のベランダに飛び越してきた。