君のお隣
「‥愛華に想いを伝えて、今の関係に戻れなくなるのが怖い‥。自分の手で関係を壊すなんて事は出来ない」
俺はそう言い目を閉じた。
「‥‥俺もさ、加奈と付き合う前はそうだった。ほら、俺らってずっと一緒だったじゃん?‥だからどうやって告ればいいかとか分かんなくてさ」
「‥‥‥」
「でも颯太が後悔だけはすんなよって背中押してくれたじゃん?あれで俺勇気出たんだよね」
皐はそう言うとニッと笑った。
ま、俺が告白を勧めたのは二人が両想いって分かってたからだけどな‥
小さい時から一緒にいるから二人の行動で結構分かってた。
「ま、俺の話はいいんだけど。颯太も後悔だけはすんなよ!」
「‥っふ。まんまじゃん」
「あ、バレた?」
なんか皐に話したら少しスッキリしたかも。
「ちょっと俺、頑張ってみっかな」
「おっ!頑張れよ!」
「あぁ。さんきゅ」
俺は立ち上がった。
「どっか行くのか?」
皐が急に立ち上がった俺を見て不思議そうな顔をしている。
「ちょっとトイレ」
そう告げると俺は中庭を離れた。