†危険な女†
「廉、早く入ろ?寒いでしょ」
「あ、あぁ……そうするよ」
俺は彼女に促され、リビングに入る。
今日は非番だった彼女。
俺がいない間、何があったんだ?
「樹里、あのさ……」
「廉、帰ってくるの遅いよ…待ちくたびれちゃった」
樹里は俺の腕に絡み付いたまま、そう言う。
「あぁ、本部との会議があってな。ちょっと長引いたんだ」
キッチンに水を飲みに行こうと思い、そちらに向かうと樹里も一緒についてくる。
そんな彼女がとても愛おしい。
コップに水を注ぎ、それを飲んでいると、樹里がぎゅうっと抱きついたきた。
「樹里、どうした?」
「廉の背中、好き。」
それだけ言い、俺の背中に顔を擦り寄せてくる樹里。
ったく、可愛いことしやがって……。
「可愛いこと言うなって。襲いたくなるだろ」
「いーよ。たくさん襲って…?」
思いがけない返答に、俺は目を丸くする。