理想の恋愛
この学園には食堂があり、ほとんどの生徒が食堂でお昼を済ませる。い代表的な奴らで言えば和磨や彩恵達である。しかし、俺と麗は食堂を利用せず、いつも教室で済ませていた。一緒には食べないが秀や明香も教室組だった。普段はいつも俺、麗、秀、明香、和磨、彩恵の6人で行動を共にしているが、お昼は何故かばらばらに済ませる。俺は麗、秀と明香は2人ずつで。和磨と彩恵はまったく違うやつらと食堂でそれぞれ昼食を取っている。原因は恐らく1年のころの名残だろうといつか麗と2人で話していた。

「………」
「ん? どうした? 麗」
「弁当…」
「弁当がどうか…」
「…」


 沈黙。

 2人で麗の弁当を凝視する。そこにはきれいなハートマークがあった。そしてその上には器用な文字で『MINORU LOVE♡』と書かれていた。


 しばらくの沈黙の後、俺は恐る恐る俺の弁当を開けてみた。

『URARA LOVE♡』

 案の定そこには俺の恐れていたものがあった。


-今朝の不敵な笑みはこのことだったのか…
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