嘘つきな唇
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「今年の新入社員はなかなかの粒揃いらしいわよ」
ついこの間まではまだ咲いてもいなかった桜は、あれからすぐに花開き、花見の季節はあっという間に過ぎ去り、気づけば葉桜になった頃。
紗綾はようやくOKをもらえた企画を形にするために忙しい日々を送っていた。
「粒揃い?それって少しは使えるって意味?」
「違うわよ!」
紗綾の的外れの応えに、隣のデスクの紺野 千里(コンノ チサト)が椅子ごと近づいてきて反論する。
「イケメン揃いなのよ!」
「あー、そっちの意味ね」
頬を膨らませながらプンプンしている千里は、ふわっとしたボブカットに緩くパーマをかけて、透けるような色白の肌。大きな瞳に小さな唇。
見た目だけならいいとこのお嬢さんに見えるけど、そんな見た目に反してなかなかの肉食系だ。
「今年の新入社員はなかなかの粒揃いらしいわよ」
ついこの間まではまだ咲いてもいなかった桜は、あれからすぐに花開き、花見の季節はあっという間に過ぎ去り、気づけば葉桜になった頃。
紗綾はようやくOKをもらえた企画を形にするために忙しい日々を送っていた。
「粒揃い?それって少しは使えるって意味?」
「違うわよ!」
紗綾の的外れの応えに、隣のデスクの紺野 千里(コンノ チサト)が椅子ごと近づいてきて反論する。
「イケメン揃いなのよ!」
「あー、そっちの意味ね」
頬を膨らませながらプンプンしている千里は、ふわっとしたボブカットに緩くパーマをかけて、透けるような色白の肌。大きな瞳に小さな唇。
見た目だけならいいとこのお嬢さんに見えるけど、そんな見た目に反してなかなかの肉食系だ。