嘘つきな唇
「そろそろ行こうか」
蒼士が先に立ち上がって二人分の会計をすませる。
別に割り勘でもいいと紗綾は思うけれど、蒼士は男の小さなプライドだと言って紗綾からはお金を受けとろうとしない。
紗綾も無理やり受け取ってもらっても、そのあと気まずくなるのもイヤなので、男のプライドを受けとめることにしている。
「今日は何を食べよう」
「そうねー。先週は洋食だったから今日は和食がいいな」
「いいね。あー、そういえばまだ、T駅に新しく出来た和食の店に行ってなかったな」
今いる場所より更に一駅先に先月オープンしたばかりの和食のチェーン店は、確かにまだ行ってないな、と紗綾も思って「じゃあ、そこにしよ」と言って蒼士の腕に手を絡ませながら駅へと足を向けた。
蒼士が先に立ち上がって二人分の会計をすませる。
別に割り勘でもいいと紗綾は思うけれど、蒼士は男の小さなプライドだと言って紗綾からはお金を受けとろうとしない。
紗綾も無理やり受け取ってもらっても、そのあと気まずくなるのもイヤなので、男のプライドを受けとめることにしている。
「今日は何を食べよう」
「そうねー。先週は洋食だったから今日は和食がいいな」
「いいね。あー、そういえばまだ、T駅に新しく出来た和食の店に行ってなかったな」
今いる場所より更に一駅先に先月オープンしたばかりの和食のチェーン店は、確かにまだ行ってないな、と紗綾も思って「じゃあ、そこにしよ」と言って蒼士の腕に手を絡ませながら駅へと足を向けた。