高校生ー揺れる関係ー
「いや、ここまで送ってもらったんだしお茶くらい出そうかと思っただけだし。
てか、日頃散々女子力ないとか言われてんだから、ここで見せつけなきゃ。

ほら、いいから上がってよ。
寒いでしょーほらほら。」

「じゃあ、お邪魔します。」

「どーぞ。」
と、一応家に上げて、自分の部屋に通した。
で、私はお茶を出すため台所に向かった。

けど、いざお茶を入れようと思ったけど、栄一にお茶何が飲みたいか聞くのを忘れて、大声で聞くのもあれだから、仕方なしに自分の部屋まで聞きに行った。
そしたら、私のベットに横になって寝てる栄一が居た。

「おい・・あいつ・・・人がせっかくお茶を出そうとしてんのに、私のベットで寝やがってー叩き起してやる!」
と、起こしに行こうとベットに近寄ると、気持ち良さそうに寝る栄一の寝顔を見たら、起こすのも悪いかなと思って、ついさっきまでの意気込みは消え去った。
そして、なんとなく栄一の寝姿を見てた。

(あ・・・意外に顔小さいな。
こう見てると女子みたいだ。

まぁ、体を見ると男なんだよねー・・。
可愛げないな。)
と、寝顔見ながら思ってた。
けど、さすがにこう長く見てると、私まで眠たくなってきてしまいそうだから、栄一に布団を被せて、部屋の電気を消して、栄一を寝かすことにした。

(あ・・・寝かしとくのはいいが、栄一親に連絡してないよね。
連絡しなきゃ!でも・・・栄一の家の番号とか知らないし、でも、栄一を起こすわけにもいかないし・・冬馬にでも聞くか。)
と思い、冬馬にメールをした。
そして、数分もしないうちに冬馬から返信が来て、栄一の家の番号を教えてもらった。
冬馬にはちゃんとお礼を送って、私は、栄一の家に電話をかけた。

【プルルル・・・プルルルル・・・
ガチャ】

「あ、もしもし。
栄一君のお宅でしょうか?」

「はい、そうですが・・・お宅は?」

「私は栄一君の友達で前田と言います。
今、栄一くん私の家に居るんですけど、ちょっと寝てるんで帰り遅くなることを報告のため電話させていただきました。」

「あら、ご丁寧にありがとうございます。
でも、前田さんお宅に御迷惑でしょう。」

「いえ、私のところは別にかまいませんよ。」

「なら、大丈夫ですよ。
でも、もう終電が・・・。」

「え?!もうそんな時間?!!」

「あら、知らなかったの?
前田さんはおちょこちょいなんですね。」

「ょ、よく言われます。
あははは。」

「栄一は面白い友達を持つようになったのね。
けど、ごめんなさいね。
今から迎えに行きますと言いたいのですが、私、今から仕事なので迎えに行けなくて・・・。
もし、栄一が起きたら、歩いて返してくれても結構ですから。」

「お母さん大丈夫ですよ。
家に上げたのだって私の都合でしたし、終電にも帰してあげられのだって…私のせいですし。
こっちのほうが謝るべきですし。」

「気になさらないでください。
でも、今日の予定の相手って前田さんですよね?」

「あ、はい。」

「あぁー良かった。
前田さんみたいな方で。
あの子お人好しですから、ちょっと心配してたんですよ。
悪い子とかとつるんでるんじゃないかと。

けど、前田さんみたいな礼儀正しくていい人とで。」

「そうでしたか。
けど、こんな薮遅く電話してるのにいい人なんて滅相もない。
ホント申し訳ございません。」

「いえ、別に大丈夫ですよ。
わざわざ電話していただいてますし。」

「いえいえ、そんなー。
あ、お仕事行く時間ですよね?」

「あら、大変。
すいませんね。つい楽しくて。
じゃあ、わざわざお電話ありがとうございます。
また我が家にでも遊びに来てください。
じゃあ、失礼します。」

「はい、ぜひ!
じゃあ、お仕事頑張ってください。」
と言って、電話を切った。

(緊張したぁー‼
でも、栄一のお母さん面白い人だったなぁー。)
と、ちょっとニヤニヤしてた。
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