高校生ー揺れる関係ー
「いただきまーす。」
と、栄一が私に向かって言ってきた。

「どーぞ。」
と、私は栄一の突然の行動にちょっと驚いたけど、言われて正直嬉しくてつい二ヤけて言ってしまった。
そして、黙々と食べる栄一をただ不安そうに見てた。

(まずかったのかな…。)
「ん?なんだよ。
俺の顔なんか付いてる?」

「え?!何も付いてないよ。」

「なら、なんで見るんだよ。」

「いやぁーそのぉー・・・無表情で食べてるからさー・・・だから・・。」

「普通飯食ってる時に笑いながら食う奴いないだろ。
あー、もしかして、味気にしてる?」

「べ、別にそういうわけじゃ!!」

「気」にしてたんだな。
その反応は。

おいしいよ。
てか、歩夢、料理出来たんだな。
意外だわ。」

「そりゃ、一応。
てか、料理出来ないようにでも見えてたの?」

「いやぁー、日頃の行いを見てたら、普通はー。」

「あっそー。
どーせ、たぁやとかと違って、ガサツで男っぽいですよーだ。」

「いや、そこまで言ってないだろ。
まぁ、姫はー確かに料理で来ててもおかしくないな。」

「ほらぁー!
差別だー。」
と、拗ねたふりをした。

(はぁー、可愛くないなーもう。
たぁやが羨ましいよ。)
と、内心はホントに落ち込んでた。
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