Happiness

｢この雨じゃ傘なしで帰るのつらくないか？｣



｢もう雨がやむまで学校で待ってようかなー｣



｢それはキツいだろ(笑)｣



｢だよねー…｣



｢うん…。｣



二人とも黙ってしまい教室には雨の音だけが聞こえる


そして橋本が沈黙をやぶった


｢じゃ、俺帰るわ！｣



｢え、帰るの？バイバーイ！｣


私に軽く手を振りバイバイと言ったあと｢これ、使っていいから！｣って言って教室を出ていった



橋本は私の机に自分の傘を置いて走って教室を出ていったみたいだ



私は橋本の傘を持って教室を出て橋本を追いかけた




全力で走って校舎の外で橋本に追い付いた



｢橋本！｣




大雨のなか橋本は振り返るとびっくりしたような目で私を見た



｢傘なしでこの大雨のなか帰るなんて無茶だよ！｣



｢なにやってんだよ！｣



橋本は大声で私にそう言うと私に駆け寄ってきた




怒られる！？


そう思った私は下をむいて瞼をぎゅっと閉じた






ふわっ





｢雨に濡れたら風邪引くだろ…｣




………………え？


私いま、橋本にぎゅってされてるの？