魔女と呼ばれる者
隣国の王子
「陛下っ!お待ちくださいっ」
「――うるさいぞ、ヴァン」
青年は急いでいた足を止め追いかけてきた側近のヴァンを面倒臭そうに見た。
「お待ちください!!本当に行かれるのですかあの国に!」
「あぁ、あの国の協力がこの国には必要だ」
「しかし、」
「なぁ、ヴァン。今この国は争いごとが多い。そのせいで俺の知らないところで民たちが苦しんでいるんだ」
青年は自分の力の無さに苛立つ。
「陛下、我々は陛下が民のため国のために良くしてくれているのは分かっているんですよ。しかし、あの国のチカラを借りるのは・・・」
「・・・必要なんだよ【魔女】のチカラが」
「陛下っっ!!」