LOVE*TRAIN







「ってか、起こしてくれてサンキューな」




不意にお礼を言われた。
まさか彼の口から感謝の言葉が出てくるなんて思っていなかったから、正直驚いた。


とっても失礼だけど、見た目からは想像できない。
むしろ突き飛ばしてしまったこととか、逃げ出したことを責め立てるような人に見えた。

きっと、そういう先入観が私の中に元々あったからだと思う。
無意識のうちに、制服で人を判断してしまっていたのだ。





「あ、の…ごめんなさい」



私の口から出たのは、謝罪だった。
やっぱり、謝っておくべきだって思った。
さすがにさっきのことを、そのまま伝える勇気はないけど。




私が謝罪すると、彼はキョトンとした顔になる。

まあ当たり前か。
お礼を言われて、謝られるなんてこと、中々ない。
まず、会話が成立していない。




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