BABY BABY
とにかくこのことは学年主任に報告して、解決策を練らないと。
「あとは、特に話したいこととかある?」
凛は一瞬口を開いたが、またすぐ閉じた。
「無い、です。これで全部です」
「そうか。メールが続くようなら、また来るから教えてくれ」
「…はい。じゃあ、パパを呼んできます」
凛が部屋を出る。
メール、か。言葉というのは、案外強力で心に大きな傷を残す。
体の傷はいつか消えるだろう。しかし心についた傷は、消えないものだ。