BABY BABY


この変な臭いさえなければ…幸せな家族に見えるのにと、ふと思ってしまった。
あまり深く考えないようにしよう。

二人は玄関先まで見送っていた。凛はずっと城崎医師の腕に絡みついたままだ。よっぽどのお父さん子なんだな。

「ではまた」
「さようなら、先生」

軽く会釈して、城崎家を出る。
外の空気は、いつも以上においしく感じた。


わかったことは、凛はメールによるいじめをうけていること。家庭内では特に問題ないということ。それぐらいだろう。

やっぱり一度こうして家庭訪問するべきだった。うちのクラスの問題も、知ることができた。時間をかけてでも、解決しなければ。

午後8時、ずいぶん長居してしまった。迷惑だっただろうか。
今から学校に行っても、岩元は帰っているだろうし。明日の朝報告しよう。

< 16 / 66 >

この作品をシェア

pagetop