BABY BABY
城島さん、羨ましいな。
先生に家庭訪問までされて、すごく気にとめてもらってる。
なんて考え方、おかしいか。
登校拒否の子を羨ましがるなんて…あたしはあたしなりに頑張ればいい。
好きになってもらいたいのはあたしだもん。無理して作った自分を好きになってもらっても、意味ない。
そう思い、ポテトチップスに手を伸ばした。
―――――城島宅
「痛い…痛いよ、パパ」
「我慢なさい」
ぎらりと光るメスが、凛のお腹を這っていく。
凛は、体を反らせてぴくっと痙攣した。息を荒くして父親の顔を見る。
引かれた赤い線を愛おしそうになぞる城島医師。
「ほら、もう痛くないだろう」
「……うん」
「ずっと、どこにも行くな、凛」